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わからないときはみにきてください。質問もしてね。

化学基礎課題プリント28より

化学基礎課題プリント28より 

4節 酸化還元反応の応用

A.電池のしくみ

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 酸化還元反応を利用して,電気エネルギーを取り出す装置を( 電池(化学電池) )という。

 イオン化傾向の異なる金属を電解質水溶液に浸して導線で結ぶと電流が流れる。

イオン化傾向の( 大きな )金属…( 酸化 )反応が起こり,陽イオンになる。

イオン化傾向の( 小さな )金属…電子が流れ込み,( 還元 )反応が起こる。

 

電池において,水溶液に浸した物質を( 電極 )という。

・( 酸化 )反応が起こって電子が流れ出す電極

…( 負極 )

・電子が流れ込んで( 還元 )反応が起こる電極

                  …( 正極 )

 両電極の間に生じる電位差を電池の(  起電力  )という。

なお,( 電子 )は負極 → 正極へ流れ,( 電流 )は正極 → 負極へ流れる。

 

B.実用電池

 電池から電流を取り出すこと。 … ( 放電 )

 放電と逆向きに電流を流し,起電力を回復させる操作。 … ( 充電 )

  充電できず起電力が回復できない電池。 … ( 一次電池 )

  充電により起電力が回復できる電池。 … ( 二次電池(蓄電池) )

 水素と酸素から水ができる化学反応を利用した電池。 … ( 燃料電池 )

 

D.酸化剤と還元剤の量的関係

 還元剤が放出する電子の数と酸化剤が受け取る電子の数が等しいとき,酸化剤と還元剤は過不足なく反応する。この量的関係を利用すると,濃度が正確にわかっている酸化剤(または還元剤)を用いて,濃度がわからない還元剤(または酸化剤)の濃度を求めることができる。このような操作を(酸化還元滴定)といい,器具と操作方法は中和滴定とほぼ同じである。

 

    濃度 × 体積 × eの係数 =  濃度 × 体積 × eの係数 

 

インプレスの問題をやってみよう。 

 244 塩素と硫酸鉄(Ⅱ)がそれぞれ酸化剤,還元剤として働くとき,電子の授受を表す式は次の①,②のようになる。 Cl22e-→2Cl-…①  Fe2+→Fe3+e-…②

0.1mol/Lの硫酸鉄(Ⅱ)水溶液100mLを完全に酸化するには,0.1mol/Lの塩素水が少なくともmL必要か。

  0.1 × 100/1000  ×  1 =      0.1 ×   x/1000  ×  2

     100 = 2x  x=50

  

 

 

 

 

 

 

化学基礎 プリント27より

A.金属のイオン化傾向

金属イオンと金属単体の反応

例)硫酸銅(Ⅱ)水溶液に亜鉛板を浸すと,亜鉛が溶け出し,亜鉛板上に銅が析出する。

 各反応をイオン反応式で表すと

(  Zn → Zn2+ + 2e      )

(  Cu2+ + 2e → Cu     )

全体では,次のような反応が起こっている。

(  Zn + Cu2+  → Zn2+ + Cu  )

 

金属のイオン化傾向

 金属は,水や水溶液中で電子を放出し,陽イオンになり溶け出すことがある。

 金属が水溶液中で陽イオンになろうとする性質を,金属の( イオン化傾向 )という。

 イオン化傾向の小さい金属イオンの水溶液中に,イオン化傾向の大きな金属の単体を入れると,イオン化傾向の( 大きい )金属が溶け出し,イオン化傾向の( 小さい )金属が析出する。このとき,樹木の枝が伸びるように析出するので,( 金属樹 )と呼ばれる。

 

イオン化列

 金属のイオン化傾向を,その大きさの順に並べたものをイオン化列といい,次のようになる。金属と空気,水,酸などとの反応性の違いは,金属のイオン化傾向と深い関係がある。

    絶対おぼえること!

Li>K>Ca>Na>Mg>Al>Zn>Fe> Ni >Sn>Pb

            亜鉛 鉄 ニッケル スズ 鉛

                  >(H2)>Cu>Hg>Ag>Pt>Au

                水素 銅 水銀 銀 白金 金

     リカちゃんカナちゃんまああてにすな

      ひどすぎる借金(白金)

 

 問6 次の金属とイオンの組み合わせで反応が起こるものを選び出し,そのイオン反   応式を書け。

⑴ZnとAg+  ⑵Zn2+とAg

 

 ⑴ Zn+2Ag    Zn2+2Ag

  イオン化傾向小の金属イオンの水溶液に,イオン化傾向大の金属を入れると,酸化還

  元反応が起こる。この逆の組み合わせでは,反応は起こらない。

 

 

B.金属の反応性

 

 

Li

K

Ca

Na

Mg

Al

Zn

Fe

Ni

Sn

Pb

H2

Cu

Hg

Ag

Pt

Au

空気中での反応

水との反応

酸との反応

天然での存在状態

 A: すみやかに( 酸化 )される。

 B: 酸化される。表面に酸化物の被膜を生じる。

 C:( 酸化 )されない。

 

 D:( 常温 )で反応し( 水素 )を発生する。

 E: 熱水と反応し( 水素 )を発生する。

 F:( 高温 )の水蒸気と反応し( 水素 )を発生する。

 G: 反応しない。

 

 H: 塩酸や希硫酸と反応し( 水素 )を発生する。

 I:( 硝酸 )や( 熱濃硫酸 )には溶ける。このとき,濃硝酸では( NO2 ),

希硝酸では( NO ),熱濃硫酸では( SO2 )が発生する。なお,Al,Fe,

Niは濃硝酸に入れると,金属の表面に緻密な酸化物の被膜ができて内部を保護

する状態になり,それ以上溶けない。このような状態を( 不動態 )と呼ぶ。

 J:( 王水 )にのみ溶ける。

 

 K: 酸化物,塩化物など多様な形で存在し,水溶液中ではイオンとして存在する。

 L: 酸化物や硫化物として存在する。

 M:( 単体 )として存在する。

 

表に入れていくと覚えやすいです。

化学基礎 プリント26後半

電子の授受とイオン反応式・化学反応式

★ 電子の数を合わせて酸化還元反応のイオン反応式をつくる。

★ 同時に、酸化剤や還元剤は相手次第で変わることもある。

過酸化水素H2O2  

  酸化剤として働く事が多いが硫酸酸性のKMnO4などの強い酸化剤に対しては

 ( 還元剤 )としてはたらく。

例)①過酸化水素(酸化剤)とヨウ化カリウムの反応

  [酸化剤] H2O2 + 2H+ + 2e  →  2H2O

  [還元剤] 2I            →   I2 + 2e

   このまま足し算するだけです。右辺と左辺にある電子は消去されます。

イオン反応式(  H2O2 + 2H+ + 2I → 2H2O + I2       )

 化学反応式(  H2O2 + 2KI+ H2SO4 → 2H2O+ I2+ K2SO4  )

  ↑ 化学反応式は今回はテストには出題しません。

 

例)②過酸化水素(還元剤)と過マンガン酸カリウムの反応

  [酸化剤] MnO4 + 8H+5e → Mn2+ + 4H2O

  [還元剤] H2O2         → 2H+ + O2 + 2e

    2 MnO416 H+ 10 e → 2 Mn2+ +  8H2O

    5 H2O2         → 10 H+ + 5O2 + 10 e

  ★   H+ の数もまとめておくこと。

イオン反応式(  5H2O2 + 2MnO4 + 6H+ → 5O2 + 2Mn2+ + 8H2O    )

 化学反応式( 5H2O2 + 2KMnO4+ 3H2SO4 → 5O2 +2MnSO4+ K2SO4 + 8H2O  )

 

二酸化硫黄SO2の作用

 酸化剤として働くことが多いがH2Sなどの強い還元剤に対しては( 酸化剤 )

  ↑還元剤                        としてはたらく。

例)二酸化硫黄と硫化水素の反応

  [酸化剤]  SO2 + 4H+ + 4e   →   S  +  2H2O

  [還元剤]  H2S          →   S  +  2H+  +  2e

 化学反応式 ( SO2 + 2H2S      →   3S +  2H2O )

 

問5 (1)二酸化硫黄SO2が還元剤としてはたらくと硫酸イオンSO42を生じる。ヨウ素I2が酸化剤としてはたらくとヨウ化物イオンIを生じる。左の表を参考にしてSO2とI2を反応させたときの酸化還元反応を化学反応式で表せ。

             イオン反応式でもよいことにします

   ⑴      SO2+2H2O →   SO42+4H+2e …①

          I2+2e   → 2I                               …②

   ①+②より,2eを消去する。

    イオン反応式     SO2+2H2O+I2  → 2I  +SO42+4H

    化学反応式                (2HI+2H2SO4

          

(2)硫化水素H2Sが還元剤としてはたらくと硫黄Sを生じる。二酸化硫黄SO2が酸化剤としてはたらくと硫黄Sを生じる。左の表を参考にしてH2SとSO2を反応させたときの酸化還元反応を化学反応式で表せ。

  SO2 + 4H+ + 4e   →   S  +  2H2O

  H2S          →   S  +  2H+  +  2e

 化学反応式 ( SO2 + 2H2S      →   3S +  2H2O )

 

 

化学基礎 課題プリント26前半より

主な酸化剤,還元剤の反応

 代表的な酸化剤,還元剤と水溶液中でのはたらきは次のようになる。

 下線部の原子の酸化数の変化に気を付けよう。

 

   酸 化 剤

 水溶液中での反応

  酸化数の変化

オゾン

O3+2H++2e→O2+H2O

  0  → ー2

過酸化水素

 H2O2+2H++2e→2H2O

H2O2+2e→2OH

  -1  → -2

過マンガン酸カリウム(酸性)

 MnO4+8H++5e→Mn2++4H2O

  +7 → +2

過マンガン酸カリウム(中性・塩基性)

 MnO4+2H2O+3e→MnO2+4OH

  +7 → +4

二クロム酸カリウム

Cr2O72+14H++6e→2Cr3++7H2O

  +6 → +3

希硝酸

 HNO3+3H++3e→NO+2H2O

 +5 → +2

濃硝酸

 HNO3+H++e→NO2+H2O

  +5 → +4

濃硫酸

 H2SO4+2H++2e→SO2+2H2O

  +6 → +4

ハロゲンの単体

 Cl2+2e→2Cl など

   0 → -1

二酸化硫黄

 SO2+4H++4e→S+2H2O

  +4 →  0

   化学反応式、イオン反応式から係数をつけられるようにしよう。

 

  還 元 剤

 水溶液中での反応

   酸化数の変化

金属単体(例:Na,Mg,Al)

Na→Na++eなど

   0 → +1

シュウ酸

(COOH)2→2CO2+2H++2e

 +3 → +4

塩化スズ(Ⅱ)

Sn2+→Sn4++2e

 +2 → +4

硫化水素

H2S→S+2H++2e

 -2 →  0

二酸化硫黄

SO2+2H2O→SO42+4H++2e

 +4 → +6

ヨウ化カリウム

2I→I2+2e

 -1 →  0

過酸化水素

H2O2→O2+2H++2e

 -1 →  0

硫酸鉄(Ⅱ)

Fe2+→Fe3++e

 +2 → +3

係数の付け方  ドリル5参照  

   Na→Na++e

  まず、右上と電子を無視して考える。

   Na→Na 

  次に右上だけを考えてみる。

   NaNa++e

  何もついていないものNaは0とする。

   

   Cl2+2e→2Cl

  この場合も同じ、まず2を入れる。 

   Cl2+2e2Cl

  それから 右上を合わせる。

   Cl22e→2Cl

   

      H2O2+2H++2e2H2O

   この場合は、Oを合わせるために,係数2をいれて、次にHを合わせる。    

    H2O2+2H++2e2H2O

   H2O22H++2e2H2O

   最後に右上のプラスマイナスを合わせる。    

    H2O2+2H+2e2H2O

 

   

 

   

化学基礎 課題プリント25より

   化学基礎 課題プリント25の解答と解説

 

   ここでは、プリントと教科書に沿って、説明していきます。

酸化とは何か、還元とは何かを

  酸素  

  水素

  電子  の授受を通して考えます。

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               ↖この図ですね。
     ここを暗記するより、酸化数の定義について練習したほうがいいです。

     このプリントをみてみましょう。   

    

課題プリント25  2編 物質の変化 3章 酸化還元反応 1節 A酸化と還元  

酸素の授受と酸化・還元

 酸素を受け取る変化 … ( 酸化 )

 例)銅を空気中で加熱すると,酸化銅(Ⅱ)が得られる。

     2Cu + O2 → 2CuO  

      ↑

      酸素を受け取る=( 酸化された )

 

酸素を失う変化 … ( 還元 )

 例)酸化銅(Ⅱ)を加熱して水素と反応させると,銅が得られる。

   

   ↓ 酸素を受け取る=( 酸化された )

CuOH2 →  Cu + H2O  

 ↑ 酸素を失う=( 還元された )

 

酸化と還元は常に( 同時 )に起こる。これらを合わせて( 酸化還元反応 )という。

 

水素の授受と酸化・還元

 水素を失う変化  … ( 酸化 )

 水素を受け取る変化… ( 還元 )

 例)過酸化水素の水溶液と硫化水素の水溶液を反応させると,硫黄と水が得られる。

        

     水素を失う=( 酸化された )

     ↓

H2O2 + H2S →  2H2O + S 

 ↑

 水素を受け取る=( 還元された )

 

 

電子の授受と酸化・還元

銅から酸化銅(Ⅱ)が生成する反応で,銅原子,酸素原子についてそれぞれ考えると,

Cu から CuO つまり 2Cu → 2Cu2++4e (eを失う。)  

O2 から CuO つまり O2 + 4e→ 2O2 (eを受け取る。)

 

Cuの受けた変化は酸化であり,O2の受けた変化は還元である。

これらを電子の授受に注目してまとめると,

原子(原子を含む物質)が( 電子 )を( 失う )変化…  酸化

原子(原子を含む物質)が( 電子 )を( 受け取る )変化…還元

 

問1 次の酸化還元反応で,酸化・還元された物質はそれぞれ何か。化学式で答えよ。

 ⑴CuO + H2 → Cu + H2O       ⑵H2S + I2 → S + 2HI

酸化された物質(  H2 )            酸化された物質( H2S  )

還元された物質( CuO  )          還元された物質(  I2   ) 

 

 

B.酸化数  ここをマスターしてください!

 原子やイオンがどの程度酸化(還元)されたかを示すために,( 酸化数 )という数値が考えられた。

 酸化数は次のようにして決める。

 ① 単体中の原子の酸化数は( 0 )。

 ② 化合物中ではH原子の酸化数は( +1 ),O原子の酸化数は( -2 )

   ただし,H2O2のような過酸化物ではO原子の酸化数は( -1 )とする。

 ③ 電荷をもたない化合物では,構成する原子の酸化数の総和は( 0 )

 ④ 単原子イオンの酸化数は(イオンの電荷)に等しい。

 ⑤ 多原子イオンの場合,構成する原子の酸化数の総和は(イオンの電荷)に等しい。

  

問2 次の下線をつけた原子の酸化数を求めよ。

 ⑴O3       ⑵HNO2         ⑶H3PO4            ⑷CO32-   

 単体はゼロ   +1+x-4=0 x=+3    +3+xー8=0 x=+5   xー6=-2 x=+4

     

 ⑸Cr2O72      ⑹NH4NO3          ⑺CuSO4

  2x-14=-2      NH4   NO3            SO42-  と考える。よって+6 

   x=+6        x+4=5  x-6=-1

              左のNが-3で、右のNが+5

 

  この問題は結構むつかしいので、更紙のドリル4あたりを練習してくれたらいい

  と思います。 ドリル4もまたアップします。

 

C.酸化還元反応と酸化数

 酸化還元反応と酸化数について,次のように表すことができる。

    ある原子の酸化数が( 増加 )。

…その原子(またはその原子を含む物質)が( 酸化 )された。

    ある原子の酸化数が( 減少 )。

…その原子(またはその原子を含む物質)が( 還元 )された。

例)CuがO2と化合してCuOを生じる反応

還元された(酸化数が減少した)O2

            0      -2

2CuO2 →  2Cu O  

 0     +2

酸化された(酸化数が増加した)  Cu原子

 

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酸化還元反応では,酸化数の減少量と酸化数の増加量は等しい。