化学基礎 プリント27より
A.金属のイオン化傾向
金属イオンと金属単体の反応
例)硫酸銅(Ⅱ)水溶液に亜鉛板を浸すと,亜鉛が溶け出し,亜鉛板上に銅が析出する。
各反応をイオン反応式で表すと
( Zn → Zn2+ + 2e- )
( Cu2+ + 2e- → Cu )
全体では,次のような反応が起こっている。
( Zn + Cu2+ → Zn2+ + Cu )
金属のイオン化傾向
金属は,水や水溶液中で電子を放出し,陽イオンになり溶け出すことがある。
金属が水溶液中で陽イオンになろうとする性質を,金属の( イオン化傾向 )という。
イオン化傾向の小さい金属イオンの水溶液中に,イオン化傾向の大きな金属の単体を入れると,イオン化傾向の( 大きい )金属が溶け出し,イオン化傾向の( 小さい )金属が析出する。このとき,樹木の枝が伸びるように析出するので,( 金属樹 )と呼ばれる。
イオン化列
金属のイオン化傾向を,その大きさの順に並べたものをイオン化列といい,次のようになる。金属と空気,水,酸などとの反応性の違いは,金属のイオン化傾向と深い関係がある。
絶対おぼえること!
Li>K>Ca>Na>Mg>Al>Zn>Fe> Ni >Sn>Pb
亜鉛 鉄 ニッケル スズ 鉛
>(H2)>Cu>Hg>Ag>Pt>Au
水素 銅 水銀 銀 白金 金
リカちゃんカナちゃんまああてにすな
ひどすぎる借金(白金)
問6 次の金属とイオンの組み合わせで反応が起こるものを選び出し,そのイオン反 応式を書け。
⑴ZnとAg+ ⑵Zn2+とAg
⑴ Zn+2Ag+ Zn2++2Ag
イオン化傾向小の金属イオンの水溶液に,イオン化傾向大の金属を入れると,酸化還
元反応が起こる。この逆の組み合わせでは,反応は起こらない。
B.金属の反応性
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Li |
K |
Ca |
Na |
Mg |
Al |
Zn |
Fe |
Ni |
Sn |
Pb |
H2 |
Cu |
Hg |
Ag |
Pt |
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空気中での反応 |
A |
B |
C |
||||||||||||||
水との反応 |
D |
E |
F |
G |
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酸との反応 |
H |
I |
J |
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天然での存在状態 |
K |
L |
M |
A: すみやかに( 酸化 )される。
B: 酸化される。表面に酸化物の被膜を生じる。
C:( 酸化 )されない。
D:( 常温 )で反応し( 水素 )を発生する。
E: 熱水と反応し( 水素 )を発生する。
F:( 高温 )の水蒸気と反応し( 水素 )を発生する。
G: 反応しない。
H: 塩酸や希硫酸と反応し( 水素 )を発生する。
I:( 硝酸 )や( 熱濃硫酸 )には溶ける。このとき,濃硝酸では( NO2 ),
希硝酸では( NO ),熱濃硫酸では( SO2 )が発生する。なお,Al,Fe,
Niは濃硝酸に入れると,金属の表面に緻密な酸化物の被膜ができて内部を保護
する状態になり,それ以上溶けない。このような状態を( 不動態 )と呼ぶ。
J:( 王水 )にのみ溶ける。
K: 酸化物,塩化物など多様な形で存在し,水溶液中ではイオンとして存在する。
L: 酸化物や硫化物として存在する。
M:( 単体 )として存在する。
表に入れていくと覚えやすいです。